日本放射線安全管理学会

- 原発事故由来の放射性物質拡散に対する取り組み -

 

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放射線についてのご相談窓口Q&A 2

 

項目

  * 水色の文字をクリックすると、その項目の答えにジャンプします。

健康関係

Q1: 安全基準が20ミリシーベルトとか1ミリシーベルトとか言われていますが、本当の安全基準はどのくらいですか。 (子供、大人、妊婦、乳児)
Q2: 水道水1kgにヨウ素が300ベクレル以上含まれていると飲料を控えたほうが良いというのは、 身体に害になる放射線を放出するヨウ素(放射能)が身体に入るから、 と言うことだと思いますが、身体に害を与えるのはベクレルではなくシーベルトと考えてよいのでしょうか。
Q3: 事故前の放射線量に比べ、5~6倍の値になっていますが、毎日浴びることで、将来的な影響はありませんか。
Q4: セシウムが筋肉に蓄積するとされていますが、 チェルノブイリでもセシウムの被害については明確な結果を得られていないとのことですが、 もし身体に影響があるとすればどのくらいの量が体内に取り込まれなければならないでしょうか。 また、その影響の現れ方はどのようになりますか。
Q5: セシウム137、 500Bq/kgを1kg食事で摂取したときに受ける線量とその預託実効線量の計算方法を教えてください。
Q6: 放射性のヨウ素131、セシウム134、セシウム137の比放射能は(Bq/g)はどのくらいですか。

生活・業務関係

Q7: 道路表面や公共施設の草払い等により発生した汚染された草等はどのような方法で処理すれば良いのですか。
Q8: 道路工事等によって、警戒区域に搬入、搬出する際に、特に気を付ける事はありますか。
Q9: 降雨などによって、側溝には高い放射性物質が集まると思われます。 住民活動によって、側溝の清掃作業が行われますが、安全面で気を付ける点などあれば教えてください。
Q10: 町の放射線量が毎日公表になりますが、この放射線量は、 空中を漂っている放射性物質から放射されるものが多いのでしょうか、 それとも土の表面または地中にある放射性物質から放出されるものが多いのでしょうか。
Q11: 町内の1時間当たりの放射線量は0.14~0.17μSvの範囲でほぼ安定しており、数値が変わらないのは、 3月15日までの水素爆発および弁の開放(ベント)により飛散してきた放射性物質が、 地表に存在するために測定されるのでしょうか。 それとも、毎日、新しい放射能が原発から放出されて測定されるのでしょうか。
Q12: 町内における放射線量は、県内のほかの地域に比べてだいぶ低くなっておりますが、 そのような中でも特に注意すべきことがあれば教えてください。

学校関係

Q13: 文部科学省で示した学校の校外活動の基準となる年間20mSv/年から3.8μSv/hの判断の妥当性についてお伺いいたします。
Q14: 屋外プールは使用しない方がよいのでしようか。
Q15: 校庭の砂が口に入ったり、プールの水を飲んでしまった時、これで内部被ばくするのですか。 また、この程度の内部被ばくは健康に影響あるのでしょうか。
Q16: 水泳指導が可能な場合の留意点・配慮事項は何でしょうか。
Q17: 肌を露出した水着のみの状態で、長時間屋外で活動を行うことによる体への影響はどのようなものでしょうか。
Q18: プールの水を口に含んでしまった場合体への影響はありますか。
Q19: 運動会を秋に延期しましたが、例年通り練習をして、1日運動会を実施するのは可能ですか。
Q20: 学校等において、放射線に関して、 指導上これだけはおさえておかなければならない事項について具体的に教えてください(これから予想される注意点も含めて)。
Q21: 当保育所では、放射線量の測定結果や国の園舎・園庭の利用判断における暫定的な目安、 小学校等の動向を見ながら、5月16日から3歳以上のみ、 砂遊びを控えるなど制限の中で、1時間以内の屋外活動を再開しました。 保護者の不安を解消するために配慮すべき点についてお伺いいたします。

原発関係

Q22: 原発から新たな放射能の放出が無いとすれば、石川町の放射線量は、何ヶ月、何年たてば平常値に戻るのでしょうか。 その場合、放射能はどこへ行ってしまったのでしょうか。 地中深くか、飛散したか、水で流されたと考えていいのでしょうか。
Q23: 情報が錯綜しており、どの情報を信じればよいのかが分りません。 特に児童を基準とした情報が必要であると考えますが、そのような情報は出されていますか。
Q24: 原発の収束に向けて作業を進めていますが、今後、今以上に事態が悪化することはありえますか。 その場合、どんな状況が考えられ、その場合の避難範囲はどのような広がりになりますか。
Q25: 放射性セシウムの有効利用を考えることはできませんか。
Q26: 放射線が我々の生活で有益に活用されている分野はどのようなものがありますか。 こういう機会にメリットも十分理解したいと思います。
Q27: 水やコンクリートはγ線を遮断するとされていますがその遮断率はどの程度見込めばよいでしょうか。

その他

Q28: γ線の発生源からの距離に伴う減衰率は遮蔽なしとした場合どの程度になりますか。
Q29: 放射性物質はα崩壊やβ崩壊などにより放射線を発しますが、 α、β、γ、中性子線の性質の違いと生物の細胞に対する影響はありますか。
Q30: 全国の水準調査は地上20mくらいのポイントで測定しているとされていますが、 放射線水準調査の値は平常時に近くなっていますが、これは空気中の浮遊物が地表面に降下していると見てよいですか。

 

 

 

健康関係

Q1: 安全基準が20ミリシーベルトとか1ミリシーベルトとか言われていますが、 本当の安全基準はどのくらいですか。(子供、大人、妊婦、乳児)
A1: 放射線の影響の程度は同じ線量でも短時間で当たった場合の方が長時間に渡って当たった場合よりも影響が大きくなります。 放射線により健康影響が発現しはじめる証拠のある境界線量を本当の安全基準とすると、100mSvが安全基準と言えます。 それ以下の線量では、健康影響の中でも、がんと遺伝的な影響の2つ(確率的影響と言われます) は喫煙や食事の影響が大きく放射線の影響はわからなくなります。 それ以外の健康影響(確定的影響と言われます)は、ありません。この場合も短時間で放射線に当たった場合です。 そのため、100mSv以下のどこで規制値を設けても、それを境にがんや遺伝的な影響が出る、出ない、ということは言えないのです。 それでも不要な被ばくはなるべく制限したいので、一般の方は1mSv/年が国際基準になっています。 ただ、今回の事故のように、すでに一定の被ばくを受けている環境では、1~20mSvの範囲で上限を設け、 徐々に1mSvに現状回復するよう国際放射線防護委員会は勧告しています(ICRP Pub.111)。
 
Q2: 水道水1kgにヨウ素が300ベクレル以上含まれていると飲料を控えたほうが良いというのは、 身体に害になる放射線を放出するヨウ素(放射能)が身体に入るから、と言うことだと思いますが、 身体に害を与えるのはベクレルではなくシーベルトと考えてよいのでしょうか。
A2: その通りです。ベクレル(Bq)は放射能の強さをあらわす単位で、飲食物や、土壌や、 空気などに含まれる放射能を表すときに使われます。放射性物質からは放射線がでており、健康への影響は放射線によって起こります。 影響の程度は放射線の種類や組織によって異なります。 シーベルト(Sv)という単位によって表される実効線量は、発がんと遺伝的影響のリスクの程度を評価するために使用し、 BqからSvに換算することにより、放射性物質の健康影響の程度を推定することになるわけです。
原子力施設からの予期しない放射性物質の放出があった場合等において放射性ヨウ素による甲状腺の線量が相当に上昇する可能性がある場合には、 甲状腺等価線量にかかる線量係数を用いて算定します。
実効線量係数は、核種、放射性物質の大きさ、化学形、摂取経路(経口又は吸入)、被検者の年齢や体格によって異なる。

300[Bq]×3.2×10-4[mSv/Bq]=0.096mSv
 
Q3: 事故前の放射線量に比べ、5~6倍の値になっていますが、毎日浴びることで、将来的な影響はありませんか。
A3: 事故前の放射線量が0.05μSv/h、現在はその6倍の0.3μSv/hとします。 事故前の放射線量の0.05μSv/hは避けることはできない自然放射線ですので、現在は0.25Sv/hだけ余計に被ばくしていることになり、 このまま1年間浴び続けると2.19mSvになります。この値は、一般の方の線量限度1mSv/年を越えますが、A1に書きましたように、 100mSvよりも十分に低く、 自然放射線から受ける被ばく線量2.4mSv/年と同程度です。将来的な影響を気にされる線量ではないでしょう。
 
Q4: セシウムが筋肉に蓄積するとされていますが、 チェルノブイリでもセシウムの被害については明確な結果を得られていないとのことですが、 もし身体に影響があるとすればどのくらいの量が体内に取り込まれなければならないでしょうか。 また、その影響の現れ方はどのようになりますか。
A4: セシウムは特定の器官に蓄積するのではなく、全身に分布します。 人体では筋肉の重量が大きいので筋肉に含まれるというように代表しています。 セシウム-137を含む食物を食べるなど経口摂取したとすると、1Bqあたりの被ばく線量は0.000013mSvに相当します。 がん発生リスクが上昇し始めるのは100mSvですので、逆算しますと7.7MBqが体内に取り込まれなければならないことになります。
Q5: セシウム137、500Bq/kgを1kg食事で摂取したときに受ける線量とその預託実効線量の計算方法を教えてください。
A5: 飲食物から摂取した放射能(Bq)を実効線量(Sv)に換算する係数は、A4にもあるように0.000013mSv/Bqです。 これより、0.000013 [mSv/Bg]×500 [Bq/kg] ×1 [kg] = 0.0065mSvとなります。 なお、ここで得られるような内部被ばくによる実効線量は預託実効線量と呼ばれ、70歳までの生涯線量を意味します。
 
Q6: 放射性のヨウ素131、セシウム134、セシウム137の比放射能は(Bq/g)はどのくらいですか。
A6: それぞれ、4.61×10^15、4.94×10^13、3.22×10^12(Bq/g)です。

生活・業務関係

Q7: 道路表面や公共施設の草払い等により発生した汚染された草等はどのような方法で処理すれば良いのですか。
A7: 指針はまだ発表されていませんが、地表面の汚染具合が比較的高い地域(南会津地方を除く福島県内および北関東の一部地域) において表土や草等を集積させる作業をされる際は留意が必要です。 草等に限らず枯れ草、土砂、汚泥、塗装の剥げた金属材など戸外にあるものに共通した話ですが、セシウム137などの放射性物質が付着し、 排水マスやマンホールの周辺、雨どい、木製及び金属製遊具、水の干上がった場所など、 所によってはかなり強い放射性物質がスポット状に存在する可能性があります。 従って、可能性が低いとはいえ、作業に際して放射性物質に接触したり吸い込んだりする可能性を減らし、 かつ環境に拡散することのないように注意する必要があります。
そのため、作業に際しては念のためですが、皮膚等を露出させず、放射性物質が付着してもすぐに落とせるように雨具、 カッパ、長靴などに手袋、マスク等を着用してください。 作業後はよく水で流し、靴底も洗ってください。念のため、手洗いやうがいをしてください。
草、表土などは拡散しないように厚手のゴミ袋(0.03mm厚以上のポリ袋など)等に入れて幼児等の近付かない安全な場所に保管し、 今後、発表される指針に従い処理してください。 放射性物質の拡散を避けるため、草は焼却しないで下さい。
 
Q8: 道路工事等によって、警戒区域に搬入、搬出する際に、特に気を付ける事はありますか。
A8: 搬入物品は使用に差し支えのない個所はビニール等で表面を覆ってください。 特に、地面に近い部分はなるべく被膜するように工夫してください。 また、警戒区域からの物品の搬出、人の退出等全てにおいて、サーベイメータによるスクリーニングを受けることになると思います。 スクリーニングレベルを超える場合は除染することになっていますので係員の指示に従って対処してください。
(なお、スクリーニングレベルは汚染の状況によって変更になる可能性があります。)

一時立入り時のスクリーニングの概要
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/shiji_1f.html
 
Q9: 降雨などによって、側溝には高い放射性物質が集まると思われます。 住民活動によって、側溝の清掃作業が行われますが、安全面で気を付ける点などあれば教えてください。
A9: A7も参照下さい。
地表面の汚染具合が比較的高い地域において汚染物質を集積させる作業をされる場合は、衣服等に汚染されたものが付着してもすぐに落とせるように雨具、 カッパ、長靴などを着用するようにしてください。手袋、マスク等を着用してください。作業後はよく水で流してください。 取り除いた汚泥等には放射性物質が集まっている可能性がありますので、取り扱いには注意して下さい。 その汚泥等は安全に留意して保管し、今後、発表される指針に従い処理してください。
 
Q10: 町の放射線量が毎日公表になりますが、この放射線量は、空中を漂っている放射性物質から放射されるものが多いのでしょうか、 それとも土の表面または地中にある放射性物質から放出されるものが多いのでしょうか。
A10: 現在観測されている放射線量のほとんどは、3月16日頃までに放出された放射性物質によるものと思われ、 土壌や草などに付着している放射性物質によると思われます。 それは、放射線量の分布や土壌等の汚染分布が3月以来ほとんど変化していないことや、 学校等で表面の土壌を取り除くと線量が大幅に減ったことによっても裏付けられます。
 
Q11: 町内の1時間当たりの放射線量は0.14~0.17μSvの範囲でほぼ安定しており、数値が変わらないのは、 3月15日までの水素爆発および弁の開放(ベント)により飛散してきた放射性物質が、地表に存在するために測定されるのでしょうか。 それとも、毎日、新しい放射能が原発から放出されて測定されるのでしょうか。
A11: 初期の頃に観測された放射線量の多くは、半減期の短い核種であるヨウ素131等が原因でしたが、 現在、観測される放射線量のほとんどは半減期の長いセシウム134(半減期2年)やセシウム137(半減期30年)が原因です。 従って、観測されている放射線量のほとんどは3月16日頃までに放出された放射性物質によると考えられます。(A10もご覧下さい)。 現在でも福島第一原子力発電所からの放射性物質の漏洩は継続していますが、大気中に放出されている放射性物質の量は当初の数千分の一程度と推定されており、 警戒区域圏外の環境レベルを有意に増加させる量ではないと考えられます。
 
Q12: 町内における放射線量は、県内のほかの地域に比べてだいぶ低くなっておりますが、 そのような中でも特に注意すべきことがあれば教えてください。
A12: 通常摂取する範囲では問題ありません。理由はA1A3の答えを参照下さい。

学校関係

Q13: 文部科学省で示した学校の校外活動の基準となる年間20mSv/年から3.8μSv/hの判断の妥当性についてお伺いいたします。
A13: この方針の基本はA1に述べた考え方(現存被ばく状況での国際暫定基準)に基づき、 学校及び家庭生活における1日のうち、16時間を屋内で、8時間を校庭等屋外で過ごすとし、 学校開始日である4月14日の線量率が一年間続いたときに年間の線量が20 mSvになる線量を求めるというものです。 すなわち、「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方」では、 (屋外3.8μSv/h×8時間+屋内1.52μSv/h×16時間)×365日で20mSvとなることから、 校庭の空間線量率3.8μSv/hを学校利用の境界値と設定したものです。詳細な積算線量の試算については下記資料1をご参照ください。 屋内での線量は屋外に比べて0.4倍(木造家屋に対する資料2の値)としております。 なお、これでは内部被ばくが考慮されていないと言う意見がありますが、A19に示すように、 空気中に浮遊する放射性物質が非常に少ない現状では内部被ばくの寄与は少なく、問題はないといえます また、A1に述べたように、年間20 mSvと言う値は健康に影響を及ぼすものでなく、また実際の室内の線量は1.5μSv/hよりも低いので、 短期的な緊急時の目安としては合理的なものと考えます。ただし、A1でものべたように20mSv浴びて良いと言うことでは決してなく、 速やかに線量を下げる努力をし1mSvに近づける必要があると、理解する必要があります。 実際、より詳細に児童の生活パターンを考慮したり、学校がコンクリート建築であることを考慮すると、 線量は屋外の0.1倍(文献2) に低下することが確認されています。 5月27日、文部科学省は児童生徒が学校等において受ける線量の低減に向けた対応策を発表しました。 それによると、暫定的基準として示した年間20mSvについては年間1mSvを目指すこととし、校庭の線量率が1.0μSv/h以上の学校を対象に、 表土を削り取るなどの校庭の除染作業の経費を国が負担する方針を明らかにしています。 また、福島県内全ての学校等に対し積算線量計を配布し、児童生徒の受ける実際の積算線量のモニタリングを実施することにしています。

資料1: 校庭等の空間線量率3.8μSv/hの学校の児童生徒等の生活パターンから推定される
    児童生徒等が受ける実際の積算線量の試算について
      http://eq.wide.ad.jp/files/110512release5_rev2.pdf
資料2: IAEA-TECDOC-1162/ NIRS-M-183, Table E4
 
Q14: 屋外プールは使用しない方がよいのでしようか。
A14: 屋外プールの場合も、汚染は水そのものの汚染とプールの内側、周辺の汚染、に分けられ、いずれもほとんどは、3月16日ごろまでに飛来、 沈着した放射能によると思われます(A9-A11も参照下さい)。 水は新しく上水道によって供給されるはずですので汚染濃度の基準を満たしていると考えられるので、 プール内外のタイルやコンクリートに沈着した放射能を除去できれば、汚染は問題なくなるものと考えられます。 タイルやコンクリート上の沈着物は、ふき取り等によって除去し、分別保管して処理することが考えられます。
実際、福島県教育委員会は5月30日、県立高校などに対して、学校の屋外プールについて、水泳の授業や排水を例年通り実施して構わない旨通知しました。 ただし、通知の中で1)プールに校庭の砂を入れないようにする、2)水泳を希望しない児童や生徒、保護者の意向を尊重する、 3)終了後しっかりシャワーを浴びさせる、また、プールの排水が農業用水路に入る学校については、 地元の土地改良区などと事前に調整することを求めています。
上記の福島県教育委員会通知では、実施するかどうかの判断は校長や市町村教育委員会の判断にゆだねるとしておりますが、 福島市や二本松市の教育委員会はすでに、今夏屋外プールの使用を控えることを決めているところもあり、最終決定は今後の課題になるかと思われます。 教育の観点からは利用の可能性は追求すべきと思われ、安心して利用できるよう国などが汚染状況を明らかにすることが必要と思います。
 
Q15: 校庭の砂が口に入ったり、プールの水を飲んでしまった時、これで内部被ばくするのですか。 また、この程度の内部被ばくは健康に影響あるのでしょうか。
A15: 口などから放射性物質が入れば、内部被ばくとなります。A13の資料1にあるように、口に入った砂は口から出し、 口の中を水で洗うとよいでしょう。 しかし、もともと身体の中には60kgの人で約7000ベクレルの放射能があり、かつ、 土砂や水中の放射能はそれほど強くなく大量に取り込むわけでもないので、あまり神経質になる必要はありません。 例えば、飲み水の場合の基準値は、その水を1年間飲み続けた場合に1 mSvになるというものなので、 プールの水の濃度が飲み水の暫定基準値以下であれば内部被ばくの健康への影響は、全くありません。
 
Q16: 水泳指導が可能な場合の留意点・配慮事項は何でしょうか。
A16: プール内外と水の安全が確認されていれば、今まで通りのご指導でよいと考えられます。 念のため、水泳後、うがいや目の水洗、身体をシャワーでよく洗い流すなどを励行するように指導してください。
 
Q17: 肌を露出した水着のみの状態で、長時間屋外で活動を行うことによる体への影響はどのようなものでしょうか。
A17: A10にありますように、何回か雨などがすでに降っているために空気中の浮遊放射性粒子は沈降していると思われます。 したがって、空気中を浮遊している放射性物質は少ないため、プール内や周辺の汚染が十分少ないか除去されている場合には肌を露出した水着のみの状態で、 長時間屋外で活動を行って問題ありません。 ただし、風に巻き上げられた土砂や粉塵などが接触したり、吸い込んだりする可能性をなるべく少なくするよう注意してください。
Q18: プールの水を口に含んでしまった場合体への影響はありますか。
A18: Q15とA15をご覧下さい。
 
Q19: 運動会を秋に延期しましたが、例年通り練習をして、1日運動会を実施するのは可能ですか。
A19: 学校等の校庭やグランドは広くしゃへい体もないため、 地表面に沈着した放射性物質からの放射線により周辺より高い線量率になっています。 ここでの被ばくには、放射性物質からの放射線による外部被ばくと巻き上げられた土砂の吸い込みなどによる内部被ばくが考えられます。 外部被ばくは空間線量率から推定でき、内部被ばくは「暫定的考え方」の取りまとめに際し検討した内部被ばくに関する算定結果によると、 外部被ばくと内部被ばくの合計線量に占める内部被ばくの寄与は高い所で2.9%、低い所で0.5%と試算されています。 外部被ばくに関しては、A10にあるように、一日8時間外にいても大丈夫ですが、線量の高い地域でも、 表土を削り取る等の対策がとられた後は通常どおり運動場を使う事ができるようになると思います。 念のため、巻き上げ成分を吸い込んだりしないよう(散水により砂埃を抑える等)留意すれば、さらに安心だと思います。

「暫定的考え方」の取りまとめに際し検討した内部被ばくに関する算定結果と根拠
http://eq.wide.ad.jp/files/110512release1.pdf
 
Q20: 学校等において、放射線に関して、指導上これだけはおさえておかなければならない事項について具体的に教えてください (これから予想される注意点も含めて)。
A20: A13-A19までに述べたように、現在のところ被ばくの原因となるのは、地面や屋根、草地などに沈着した放射性物質であり、 空気中に浮遊する成分はほとんど問題ありません。従って、その放射性物質からの放射線による被ばくをなるべく減らし、 かつその放射性物質を体内に取り込まないように注意することがポイントになります。 従って、風が強く、土埃や砂埃の舞上げが多い場合を除けば、窓を閉め切る必要はないと考えられます。 実際、福島県内の学校で行われた測定においても、窓の開閉は放射線量に影響のないことが確認されています (福島県学校等空間線量率の測定結果について:文部科学省5月20日)。 ただし、帰ったらうがいや手洗いを励行してください。
Q21: 原子力安全委員会が出した資料によると、30km区域外でも、12日間で100mSv以上の被ばくがあると計算していますが、 その地区に住んでいる人(特に、乳幼児)の健康影響は大丈夫でしょうか?
A21: 当保育所では、放射線量の測定結果や国の園舎・園庭の利用判断における暫定的な目安、小学校等の動向を見ながら、 5月16日から3歳以上のみ、砂遊びを控えるなど制限の中で、1時間以内の屋外活動を再開しました。 保護者の不安を解消するために配慮すべき点についてお伺いいたします。

原発関係

Q22: 原発から新たな放射能の放出が無いとすれば、石川町の放射線量は、何ヶ月、何年たてば平常値に戻るのでしょうか。 その場合、放射能はどこへ行ってしまったのでしょうか。地中深くか、飛散したか、水で流されたと考えていいのでしょうか。
A22: 土砂などに沈着した放射性物質は物理的半減期で減少するとともに、放射性物質そのものは雨水などにより流れ、 また地中に浸透し拡散して薄まっていきます。 しかし、現在問題となっている主な放射性物質は、Cs-134(半減期:2年)とCs-137(半減期:30年)で、土壌に長く留まり、 拡散等による減少もゆるやかであるため、このままでは原状回復にはかなり長い時間が必要と考えられます。 従って、何らかの環境修復の手だてを行うことが必要と考えられ、農林水産省や福島県は三つの方法(表土を取り去る、 表土を入れ替える、植物を植える)で環境修復を進める実験を開始すると伝えられています。 既存の方法のみならず、新しい手法の開発が強く期待されます。
 
Q23: 情報が錯綜しており、どの情報を信じればよいのかが分りません。 特に児童を基準とした情報が必要であると考えますが、そのような情報は出されていますか。
A23: 政府が出されている情報は、ほぼ間違いはありません。 報道されている基準値は、成人より感受性が高いと考えられる児童に対しても適用される基準情報と考えて良いと思います。 また、学校の校庭に関して、1mSvを目指すとの発表をされました。A1A19も参照下さい。
 
Q24: 原発の収束に向けて作業を進めていますが、今後、今以上に事態が悪化することはありえますか。 その場合、どんな状況が考えられ、その場合の避難範囲はどのような広がりになりますか。
A24: 現在原発は小康状態を維持しており、現状も把握され事態収束に向けて加速されると思います。 しかし事態の悪化があるとすると、それは水素爆発や、大規模の地震や津波の再襲来によって冷却不能状態が発生する場合と考えられます。 すでに事故以来2ヶ月が過ぎていますので崩壊熱の発生は大幅に減少しており、 また、電源や冷却ポンプ等についても高台への移設などが進められており、こうした事態の可能性は低いと思われます。

その他

Q25: 放射性セシウムの有効利用を考えることはできませんか。
A25: まずは、生活環境からどのように除去するかについて早急に検討し実施する必要があると思います。
 
Q26: 放射線が我々の生活で有益に活用されている分野はどのようなものがありますか。 こういう機会にメリットも十分理解したいと思います。
A26: 医療の分野で検査や治療に使われています。 また、蛍光灯の豆電球(スターター)や レベル計、厚さ計、非破壊検査、滅菌、殺菌等にも利用されています。 生命科学研究(難病治療薬の開発・農業への応用)や物質科学研究 (高密度磁気メモリの開発・大容量小型電池の開発・高温超伝導材料の開発等)に活用されています。
 
Q27: 水やコンクリートはγ線を遮断するとされていますがその遮断率はどの程度見込めばよいでしょうか。
A27: γ線のエネルギーによって異なります。セシウム-137のγ線では、 30cmのコンクリートで、また60cmの水で、それぞれ約1/10になります。
 
Q28: γ線の発生源からの距離に伴う減衰率は遮蔽なしとした場合どの程度になりますか。
A28: 点線源の場合には、距離の二乗に反比例します。 しかし、現状では点線源ではなく放射性物質による汚染は主として地表に沈着した面線源と考えられます。 そのため、特に校庭などの場合は、高くなってもそれほど線量率が下がりません。 また、砂埃がまいあがった際に吸い込むと、内部被ばくの可能性があるので注意が必要です。
 
Q29: 放射性物質はα崩壊やβ崩壊などにより放射線を発しますが、 α、β、γ、中性子線の性質の違いと生物の細胞に対する影響はありますか。
A29: α線はヘリウム原子核でありますが、空気中の飛程は4-5cm程度です。
β線は電子線ですが、β線の飛程最大でも空気中で5-6m程度です。 γ線は、α壊変やβ壊変に伴って生じる電磁波であり、物質の透過力があります。 中性子線は、電荷を持たない粒子線で、物質の透過力はγ線以上です。 α線は飛程が短いために外部被ばくにはあまり寄与せず、内部被ばくのみが問題になります。
放射線の生体への影響は放射線によって大きく異なり、一般的には重い粒子ほど感性が大きいため人体への影響が大きくなります。 (粒子線ががん治療に有効なのはこのためです。)
内部被ばくの場合、生体へ影響の大きさはα線>β線>γ線の順です。 生体へ影響が大きくなります。特定の臓器に蓄積されやすいα核種は特に生体への影響が大です。 中性子は、エネルギーによりますが、原子核に衝突して重い粒子を生成するので生体への影響はやはり極めて大です。
外部被ばくには、β線、γ線と中性子が寄与しますが、中性子の影響が圧倒的に大きくなります。
 
Q30: 全国の水準調査は地上20mくらいのポイントで測定しているとされていますが、 放射線水準調査の値は平常時に近くなっていますが、これは空気中の浮遊物が地表面に降下していると見てよいですか。
A30: よいと思います。

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