JRSM広報
(05.06.09)0048


    日本学術会議ニュース・メール 臨時の紹介について

日本放射線安全管理学会
学会員 各位

                              広報委員会

日本学術会議より,ニュースメールの配信を受けましたので,
学会員各位にご紹介させて頂きます。


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     ** G8サミットに向けた各国学術会議の共同声明 **
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                            平成17年6月8日

日本学術会議研究連絡委員会委員 各位

                   日本学術会議事務局総務部庶務課長


 本日16時30分、岸輝雄日本学術会議会長代理(黒川会長は海外出張中)
から小泉内閣総理大臣に対して、G8サミットに向けた各国学術会議の共同声
明(「環境問題」、「アフリカ開発」)を手交いたしました。
 また、黒川日本学術会議会長のコメントが発出されましたので併せてお知ら
せいたします。
 詳細につきましては、日本学術会議のホームページを御覧ください。
http://www.scj.go.jp/ja/info/comment/050608.html



     G8サミットに向けた各国学術会議の共同声明

                           平成17年6月8日
                             日本学術会議

 各国の学術会議は、1990年代より連携をとりつつ、科学的知見を要する
世界的課題に対し、提言する活動を活発化させてきた。
 この共同声明は、G8各国の学術会議が中心となって、本年7月6日から8
日に英国のグレンイーグルズで開催されるG8サミットに対し、サミットの議
題に沿った環境問題とアフリカ開発に関する科学者の意見をインプットするこ
とを主目的とし、6月8日に発表された。


1.「気候変動に対する世界的対応に関する各国学術会議の共同声明」
  G8各国+ブラジル、中国、インドの学術会議

 ・気候変動の脅威を認識し、科学的根拠のある削減目標を策定すること。
 ・実施可能で費用対効果の高い方策を策定するとともに、開発途上国が解決
  策を自ら生み出せるよう協力すること。
 ・クリーン・エネルギー技術の開発と普及及び資源管理に対する指導性を発
  揮し、これらの知識を世界中の国々と共有すること。

2.「アフリカ開発のための科学技術に関する各国学術会議の共同声明」
  G8各国+アフリカ各国の学術会議ネットワーク(カメルーン、ガーナ、
  ケニア、マダガスカル、ナイジェリア、セネガル、ウガンダ、南アフリカ
  の8カ国の学術会議とアフリカ科学アカデミーが加盟)

 ・アフリカの開発と持続可能な開発のためには、科学技術と技術革新が不可
  欠であることを認識し、それらの能力開発プログラムを積極的に盛り込む
  こと。
 ・アフリカ諸国は、自ら問題を解決する能力を身につけるため自国の科学能
  力への投資、環境整備等が不可欠であることを認識し、最先端の科学技術
  と技術革新の交流及び共有を促進すること。
 ・G8サミットで本件を引き続き議題にすること。

                          平成17年6月8日



               会長コメント

 日本学術会議は、本年7月6日から8日に英国のグレンイーグルズで開催さ
れるG8サミットに向け、G8主要先進各国の学術会議及び関係諸国の学術会
議と共同で2つの声明「気候変動に対する世界的対応」及び「アフリカ開発の
ための科学技術」を6月8日に発表し、同日、小泉総理に声明を手交した。
 日本学術会議は従来より各国学術会議と共同して国際的な提言等を発信して
きたが、この声明は、本年のG8サミットの議題である環境問題とアフリカ開
発について各国科学者の意見を集約したものである点において非常に戦略的か
つ重要な声明である。更に、G8主要先進国のすべての国とG8以外の大国で
あるブラジル、中国、インド、及びアフリカ諸国の学術会議が共同してG8サ
ミットに向けた声明を出すのは初めてのことであり、画期的な出来事である。
 この2つの声明において、我々はG8各国首脳をはじめ世界の指導者に対し
てこれらの課題に対する取り組みについて次のように訴えている。

「気候変動に対する世界的対応」
 ・気候変動の脅威を認識し、科学的根拠のある削減目標を策定するための国
  際的研究に着手すること。
 ・実施可能で費用対効果の高い方策を策定するとともに、開発途上国が解決
  策を自ら生み出せるよう協力すること。
 ・クリーン・エネルギー技術の開発と普及に対する指導性を発揮して、これ
  らの知識を世界中の国々と共有すること。

「アフリカ開発のための科学技術」
 ・アフリカの開発と持続可能のためには科学技術と技術革新が不可欠である
  ことを認識し、それらの能力開発プログラムを積極的に盛り込むこと。
 ・アフリカ諸国が自ら問題を解決できるようにするため、自国の科学能力へ
  の投資や環境整備、教育への配慮等が不可欠であることを認識し、最先端
  の科学技術と技術革新の交流及び共有を促進すること。
 ・G8サミットで本件を引き続き議題とすること。

 日本学術会議は、今後とも各国学術会議と緊密に連携し、国内外の科学者や
学術研究団体と協力しながら、地球的規模の諸課題の解決に積極的に貢献して
まいりたい。

                      日本学術会議会長 黒川 清


−以上−