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20180921

日本放射線安全管理学会 平成29年度学術業績賞表彰について

 

会長 中島 覚

 学術賞選考委員会より、 本学会誌邦文誌16巻第1号、第2号および英文誌Vol.16の中から平成29年度の受賞者を選考した旨報告がありましたので、お知らせいたします。

 

 

研究奨励賞

「ホットセルに格納可能な小型RIガス貯留装置の開発」


日本放射線安全管理学会誌 第16巻、第2号、85-90、2017

北海道大学アイソトープ総合センター  阿保 憲史

共著者 野矢 洋一、東川 桂、安井 博宣、久下 裕司

 18F標識化合物の自動合成の際に発生するガスは、廃棄できる濃度に減衰した後、管理区域外に排気する必要がある。 そのために、発生したガスの貯留槽を設けることが必須であるが、市販機器を連結した装置では、非常に大きな設置空間が必要になる。 阿保氏は、ホットセル内に格納できるように、貯留装置に関係する各機器の能力及び容量等を検討し、RIガス貯留装置を小型化することに成功した。 本研究は、FDG合成だけでなく、ガス発生の起こる標識合成で応用できるものであり、本学会にとって評価できる。




研究奨励賞

「ゾルーゲル法によって調製されたホウ素含有Al2O3線量計の特性評価」


日本放射線安全管理学会誌 第16巻、第1号、25-28、2017

大阪大学大学院工学研究科 前川 達郎

共著者 狩場 友治、山地 恒輔、日下 祐江、佐藤 文信、加藤 裕史、村田 勲

 中性子線量を測定できるLiやBを含む中性子検出用OSL線量計材料の開発事例は少ない。 前川氏は、中性子用個人線量計として、光刺激ルミネセンス線量計(OSL線量計) を利用する目的のため、Al2O3にホウ素を含有させ、ホウ素含有割合が0.1の場合に、中性子に対するOSL反応を有する素子を作成した。 この素子は、光子の吸収線量1-5000mGyの範囲で線量計として利用できることを示した。 OSL強度が弱く、実用性はまだ低いが、今後の進展が期待され、本学会にとって評価できる。


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